メニュー

ストップ!ザ☆酸蝕症

[2022.03.04]

「すっぱいもの」に触れすぎた歯が溶けて弱くなってしまう病気です。

「酸蝕症」という歯の病気をご存じですか?

酸蝕症とは、酸性度の強い食べ物や飲み物、また逆流した胃酸に日常的にさらされることにより、歯が病的に溶けて、痛んでしまう症状をいいます。

すっぱいものを欠かさず食べる健康志向の食生活や、ストレス社会のなか増え続けている逆流性食道炎など私たちの食生活や多忙な毎日とのかかわりがあるので現代人ならではの生活習慣病として注目されています。

 

4人に1人が酸蝕症です。

「酸蝕症?自分は関係ないや」と思っていたら大間違い。国内の実態調査では、全世代を通じ4人に1人の罹患率でした。

軽度のものまで入れると、国内の調査では26.1%のかたに酸蝕症がみられました。

ヨーロッパ7ヵ国の大規模調査でも29.4%という結果が出ていますので、この数字はおそらく国内の酸蝕症の罹患状況をつぶさにあらわしていると見て間違いないと思います。

 

酸蝕症とは?

歯に胃酸や酸性の飲食物が「繰り返し触れる」ことで起きる病気です。むし歯や歯周病に続く第3の歯科疾患として注目されています。

歯はもともと、酸がとても苦手です。酸に触れると化学反応を起こして溶けてしまうからです。とはいえ、食べ物のほとんどは酸性。みそもしょうゆも穏やかな酸性です。なのに歯が溶けてなくなってしまわないのは、唾液が酸を洗い流して中和して、歯を守ってくれているからです。

ただし、唾液の能力にも限界があります。強い酸が口のなかに繰り返し入ってくると、唾液の作用が追いつかず、歯が溶けてしまうのです。

むし歯も、むし歯菌の出す酸によって歯が溶けて穴があく病気ですが、酸蝕症との決定的な違いは「被害の範囲」です。むし歯は、みがき残したプラーク(細菌のかたまり)のなかに棲むむし歯菌が、砂糖を食べ酸を出すことによって起きます。そのため、起きる場所は限局的です。一方、酸蝕症は、酸が触れた歯面すべてで起きます。つまり被害が広範囲になりやすいのです。

また、硬いエナメル質が溶けて薄くなったところにむし歯ができると進行が加速し、酸で軟かくなった歯は摩耗・咬耗も病的に進行しやすく、トラブルが複合的に拡大しやすくなるのも酸蝕症の特徴です。

酸蝕症は、現代の食生活や生活習慣と関わりの深い病気です。酸蝕症になりやすい要因をこの機会に知って、歯を溶かす習慣を止め、大切な歯を守っていきましょう。

 

酸蝕症の見た目ってどんな感じ?

こちらのイラストは、むき出しの象牙質の濃い色とクレーター状のへこみがあります。歯のエナメル質が溶けて、中の黄色い象牙質が見えている(=溶けている)ところです。

歯がもろくなり、欠けやすくなったり、知覚過敏など歯の病気にかかりやすくなったりします。

絶対に酸性の物は食べたり飲んだりしないで!というわけではありませんが、みなさんの日頃の習慣の中に、リスクが潜んでる可能性があります。

酸蝕歯の予防法として挙げられるのが、

  • すっぱいものを食べたら、そのあとすぐに水やお茶を飲む!30分程度歯磨きを控える!
  • フッ素入り歯磨き粉・フッ素洗口剤を使う!フッ素の力で歯の質を強化しましょう。
  • 喉や口が渇いているときは、酸性の飲み物を避ける!麦茶がおすすめです。
  • 赤ちゃんに哺乳瓶でジュースを飲ませない!飲み物に触れやすい前歯の裏側が溶けてしまうのです。

当院では担当の衛生士がつきますので、心配なことや習慣にしていること等、具体的なご相談も可能です。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME